カニと修造理論

三宅隆太さんが宇多丸さんのラジオで話した「カニと修造」理論は大変有名な話で、物語における感情移入について考える上で非常に重要な話である。

グルメ番組を松岡修造がやるとき、カニを食べる前に松岡修造が自身で船に乗って一生懸命頑張ってカニを撮るシーンを入れれば、彼に感情移入してカニが大変美味しそうに見えるはずである。

しかし、その前に海の底で擬人化されたカニがファインディング・ニモよろしく家族団欒していて、お父さんカニが出かけるシーンを入れれば、その後の松岡修造がものすごく悪く映ってしまう。

物語で感情移入するのは、時間的に先に登場して、ドラマがあった登場人物の側であることをこの理論は示しているのである。

スクリプトドクターの脚本教室・初級篇

スクリプトドクターの脚本教室・初級篇