京都朝日シネマのこと

2003年まで京都河原町三条にあった京都朝日シネマ。私の映画体験はそこで作られた。アジアの映画や、シネコンでは上映されない映画など、面白い映画がたくさんやっていた。難度の高い映画も多かったけど。ポイントカードも作って通い詰めたのがいい思い出だ。

私の映画体験がこの映画館で作られたのは本当に幸運なことだったと思う。

閉館後、四条烏丸に京都シネマができたが、その時はもうレンタルビデオ屋からDVDを借りまくることが習慣になってしまい、京都シネマへは一回もいくことがなかった。

私が京都朝日シネマで見た映画たちについて書いてみる。

中国の映画。過疎の山をいくつもわたって郵便配達をする親子。父親と子供の仲はよろしくない。父親は体を悪くしてしまう。息子は祭りで女性に恋する。川を渡るとき、息子が体を悪くした父親を担いで行く。ほとんど会話はなく淡々とした映画だが、とてつもない感動をもたらす。私が京都朝日シネマで見た最初の映画。

ベトナム映画。内容はかなり忘れてしまった…。しかし、３姉妹と服装と背景の色彩が極めて美しく、とにかく印象に残ってしまった。３姉妹が「ペニスをフライパンで焼こう」みたいな話をして笑いあってるシーンを何故か覚えている。

説明不要のフランス映画。連日満員だったそう。

ピアノ教師が覗きをしたり失禁したり胸にナイフ刺したり、とにかく強烈な内容の連続。当時は訳がわからなかったが、印象はとにかく強かった。また見てみたい。

デヴィッド・リンチの映画。これもちょっと刺激が強すぎた。レズビアンの主人公が号泣しながらマスターベーションするシーンだけ覚えていて、他は全く覚えてない…。

橋口亮輔の映画。ゲイのカップルと厭世的な気分の女性が３人で家族を作る物語。傑作！！！

他にも色々見たはずだが、ちょっと思い出せない…。見たことを覚えている映画も基本的なストーリーはかなり頭から抜けていて、変なシーンばかり覚えている…。まぁ、映画体験というのはこういうものかもしれない。また改めてみればきっと気付かなかったことが気づけるはず…。