ナルシストが人を嫌うということ

人を嫌うということは自然感情としてありうるとは思うが、なるべくそういうことにならないようにしたいとは個人的に思っている。ただ、他人から嫌われてしまうのはどうしようもない。

一番面倒なのはナルシストに嫌われることである。ナルシストは人を嫌うことがやたら多いように思える。というのも、ナルシストは自分自身の自己イメージを現実のそれよりも高いレベルに置きたがるので、その自身のイメージ像と現実から突きつけられるものが齟齬をきたすことが多い。そうすると、ナルシストは自分のイメージ像を保つために、外界を見下したり、怒りの感情を持ったりするのである。

私はここ長らくこういうナルシストの嫌悪感情の対象になってしまっていた。どうも私はその人の持つ自己イメージと現実の乖離を無意識で刺激しまっていたようで、他の人に対してであれば問題ない私の行動もその人から嫌悪を抱かれてしまっていた。

そうなると、だんだん彼にとって私は「余計なことをするやつ」みたいなレッテルを貼られ、良いことをしても余計なことをしている半人前の人間とみられるのである。人間、相手に嫌われているか否かなんて、相手の目を見ればなんとなくわかることが多いと思うのだが、この人は本当にわかりやすかった。

私は小池龍之介の「もう、怒らない」を読んでいるので、「あぁこういう人はこういう思考回路だから僕を嫌悪しているのだなぁ」と思っており、怒ったりしないのだが、現実問題として仕事に支障が出るので、こういう時は最終的には組織の力を使ってなんとか環境を変えるしかないのである。相手の頭の中で生まれてしまった回路は他人が直すのはなんとも難しいので。

だから、ナルシストに嫌われたら、それに対して怒ったりせず、現実を変える行動に映るべきである。

 

もう、怒らない (幻冬舎文庫)

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