キャリアチェンジについて

昔、数学者になりたかった。しかし、数学者として活躍するのはとっても難しいのである。それは「数学は才能である」とかそういうだけの話ではない。日本の数学科では応用数学よりも基礎数学がマジョリティである。ということは、数学だけをやってる人同士の戦いなのである。そうすると、「私は経済学もやりました。そのためにはこういう数学が必要だということに気づきました。その穴を埋めることをやります」みたいな「かけ算戦略」ができない。「かけ算戦略」とは一つのことを突き詰めるのではなく、2つ以上の何かを組み合わせて、スキマになったところを攻める戦略である。そういったことをせず、一つの山をずっと登り続けるのはなかなか辛いものがある。

 

数学者とは全然違うが、それ以外の領域で同じキャリアばかり追いかけるのも同じように大変だと思う。

 

ある一つの山を登ってそこで景色を見ると他にも面白そうな山がたくさんあることに気づく。そこで一旦山を降りて、次の山を登り始める。そんな感じでキャリアチェンジするのが、長い人生を生きる上で大事だ。降りるときは不安だが、降りなければ、もっと高い山を登れない。だから、山を登ってそこから他のキャリアが良さそうで、今の自分にもチャレンジできそうだなと思ったら、一旦降りてまた登ることが大事。どうせ今後定年80歳とか、それ以上になるだろうから、一つの山を登り続けるなんて人生はほとんどの人は選べないはず。だから降りる経験・登る経験をたくさんしていろんな景色を楽しみたい。

自分らしいキャリアのつくり方 (PHP新書)

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